みなさん、「保育士」という職業を聞いたことはあると思います。では具体的に、保育士がどのような仕事をしているか知っていますか?
今回は保育士の仕事の内容を一日の子どもの活動に沿って、お話していきます。
保育士とは?
「保育士」とは、児童福祉法によって定義されています。
児童福祉法第18条の4には、「保育士とは、保育士の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。」とあります。
要するに、保育士は子どもと保護者に対してケアを行うことを仕事にしている専門職ということになります。
保育士の仕事内容5つ紹介
保育士の仕事内容は簡単にまとめると、5つにわけられます。
・見守り
・お世話
・環境づくり
・保護者の相談対応
・書類づくり
この5つの仕事を毎日繰り返しています。
保育士は、同じ仕事のルーティーンを繰り返すことにより、子どもは安定した毎日を過ごすことができます。
保育士のシフト3つ解説
保育園の1日は長いので、保育士は3交代制のシフトを採用しているところが多いです。
シフトは次に紹介する名称で呼ばれています。
・朝番
・中番
・遅番
と3つの時間帯に分かれてお仕事をします。
具体的な時間は施設の開園時間と閉園時間により異なります。正社員の場合、だいたい8時間以上の業務時間と考えてください。
3つの時間帯で分かれていますが、子どもの活動時間は同じ仕事をしています。
朝番の仕事の紹介
朝番は、保育園を開けるためのさまざまな準備をします。鍵を開けたり、電気をつけたり、カーテンを開けたり、加湿器の用意、部屋の簡単な掃除をするなど細々した業務が多いです。
注意点は、朝にお金の確認をする保育園も多いので、数え間違えなどが起きないようにする点です。
寝ぼけた頭では、大切なお金の管理は難しいので、すっきり目を覚ましておきたいところです。
基本的な準備が終わったころ、朝一番で保育園に子どもたちが保護者に送られてきます。
保護者から、昨晩から朝にかけて子どもの変わった点がないかなどを聞きコミュニケーションを積極的に取ります。
保護者は朝、時間に追われて忙しい方が多いので、手短にかつ聞き逃しのないように工夫して、お話しすることが大切です。
ここで連絡帳などの受け取りもきちんとしておきます。
子どもをある程度受け入れが終わると、保育士の中番が出勤したら、各クラスに分かれて一日の活動が始まります。
中番の仕事紹介
中番は朝番と遅番以外の職員のことです。子供たちの一日の活動をサポートする時間帯に出勤します。
日中の子どもと一緒に見守り行動をするとともに、書類をかいたり、連絡帳を書いたり、朝晩の保護者への対応をしたりと基本的な保育園の作業を担当します。
遅番の仕事紹介
遅番の保育士は朝番と中番の職員よりも遅くに出勤して、最後の鍵を閉めるところまで保育園に残る役割があります。
子どもたちが帰り、人数が少なくなってくると、各クラスから1つの教室に子どもたちを集めて遅番の保育士と過ごします。
保育園によっては、18時や19時を過ぎると延長保育という、子どもたちに夜食を出すところもあります。
調理師が用意してくれた夜食を提供して、比較的静かな活動をします。絵をかいたり、絵本を一緒に読んだり、帰ったらすぐ眠れるようにゆっくり過ごして保護者を待ちます。
子どもがすべて帰ったら、保育園全体の鍵がしまっているかを確認します。すべての業務を終えると、着替えて保育園の鍵を閉めて帰宅します。
保育士の基本的な1日のスケジュールを8つ紹介
保育士が各シフトごとに分かれて、子どもと密接に接する職業と理解していただけましたか。
では、保育士の具体的な1日の過ごし方は、どのようになっているのでしょうか。
ここからは、子どもの生活と一緒に、保育士の1日の過ごし方のスケジュールを8つの時間にわけて紹介していきます。
9:00~ 朝の会
自分の担当のクラスで、朝の会をおこないます。そこで出欠確認をして、保護者から伝えられた子どもの体調を確認します。
朝の会の中で、保育士のピアノに合わせて歌ったり、ダンスを踊ったりして一日が始まります。
外に出る前にトイレの時間があります。乳児はおむつ替えをします。子どもの年齢に合わせて、トイレをどこまで手伝うかをあらかじめ保育士同士で話し合っておき、必要な手伝いと声掛けをしていきます。幼児はおむつがとれている子は自分でトイレを済ませるよう声を掛けていきます。
9:40~ 外遊び
天気が晴れならば、外で遊びます。
園庭がある保育園ならば、各コーナーにおもちゃを用意して、子どもたちに危険がないように見守り、時には一緒に遊びます。
お散歩に出かける場合は、乳児はバギーに乗せ、幼児はお友達同士で手をつないで公園まで行きます。その際、保育士は子どもに交通ルールを教え、安全第一で公園へ向かいます。公園では、園庭と同様に子どもに危険がないように見守りつつ遊びます。
雨ならば、部屋の中でできる遊びを保育士が考えて用意します。
外遊びから帰ると手を洗い、トイレを済ませます。トイレが終わると着替えも子どもの必要に応じて手伝います。
12:00~ 食事と片付け
保育士は外遊びが終わると、食事の準備をしていきます。調理師に作ってもらった食事を並べます。
手を洗った子どもから順に、全員を着席させていきます。みんなで「いただきます」をしてから、食べ始めます。
保育士は食事の間、食事介助、つまり「食べるサポート」をします。
ここまで時間との勝負ですが、焦らずに子どもに寄り添いながら楽しい雰囲気の中で、適切な声掛けをしていくと、子どもが食事にやる気になってくれます。
食事が終わると、食事で汚れた部屋の掃除をしてから、布団やコットという子ども用ベッドを敷いてお昼寝が始まります。
12:30~ お昼寝
食事が終わると、子どもたちはお昼寝になります。
お昼寝のために、オルゴールをかけ、カーテンでほの暗くするなど、眠るための環境を整えることも保育士の仕事です。
寝かしつけのときも子どもが安心できるように、隣でトントンとおなかでゆっくり拍子を取る、手を握る、頭をなでるなど、寝やすいように行動します。
ポイントは、保育士は「子どものそばに付き添うこと」です。子どもが眠くなくても動き回らず、横になっているよう優しく見守ります。
このように、保育士が隣で寄り添っていることで、子どもの安心と安眠につながります。
13:00~ お昼寝のときの保育士のお仕事
保育士は、子どもが眠っている間に、各クラス代表の保育士が集まり情報交換をする「昼礼」があります。
昼礼ではクラスでけがや問題はなかったか、保護者から何か連絡はなかったか、遅番の職員に注意点はないかなどを簡単に情報交換をします。遅番は昼礼での報告を参考に、夕方から夜の保育に取り組むためです。
昼礼が終わると、保育日誌と連絡帳の記録をつけます。同時に子どもの睡眠の呼吸が正常かを確認し、紙に記していきます。
保育士はこのタイミングで自身のご飯を食べる休憩の時間になります。交代しながら休憩をとるので、30分から1時間しっかりとお休みをとれるようになっています。
15:00~ おやつ
保育園によって多少の違いはありますが、15:00ごろにお昼寝は終わります。
保育士は子どもを起こして、トイレへ行くようにと促します。
トイレが終わると、おやつの時間です。
おやつは調理師が作るところもあれば、市販のおやつを使用する場合もあります。保育園によって異なります。昼食同様、保育士は子どものおやつを食べるサポートをします。みんなで「いただきます」をしてから、楽しい会話をしつつ、食べるよう促します。
おやつが終わると、汚れた部屋を掃除してから保護者がお迎えに来るまで室内遊びをします。
15:30~ 室内遊びとお迎え
子どもはお迎えまでの間、ブロックや人形、絵本など定番のおもちゃ遊びから、天気の良い日は軽く外に出たり、保育士がピアノを使用してリトミックをしたりして過ごします。
保育士は夕方になり、不安になる子どもが飽きないように工夫をして遊びを考えていきます。
午後の遊びをしていると、次々と保護者のお迎えがやってきます。
保育士は保護者に子どもの一日にあった出来事を話したり、保護者の悩みや困ったことがないかなどをさりげなく聞いたりします。
朝よりも時間が取れる保護者が多いので、保護者とのコミュニケーションを、より一層とれるように些細なこともお話できるようにしておきます。保護者が話したい、相談したいと思えるように毎日のコミュニケーションの積み重ねが大切です。
18:00~ 延長保育
18:00を過ぎてお迎えの子どもは少ないことが多く、少数の保育士で見守りができるため、1か所に集めて保育をします。
お腹がすいてしまわないために、夜食を出す保育園もあります。保育園の方針によって、調理師がおにぎりやサンドイッチなどの軽食を作る保育園もあれば、市販のおやつを用意するなど異なります。
夜食を食べ終えると引き続き、夜なので興奮しないような「静かな遊び」で保護者のお迎えを待ちます。
子どもが全員帰ると、保育士は保育園の掃除と点検をして、その日の仕事が終わりになります。
まとめ
今回の記事は保育士の仕事内容を子どもの活動の流れに沿って8つ紹介しました。
保育士の1日のスケジュールをまとめると、
・朝の会
・外遊び
・食事介助と片付け
・お昼寝
・お昼寝のときの保育士のお仕事
・おやつ
・室内遊びとお迎え
・延長保育
以上の8つにわけられます。
「 保育園はどんなところだろう?」と思っている方に少しでもお伝えできれば幸いです。
保育士の他にも、保育補助、調理師、用務員など洗濯や掃除をしてくれる職員もいるため、保育園は一日円滑にまわすことができます。
保育士の仕事内容が大変なのは確かですが、その分子どもへの責任や一緒に遊ぶ楽しさや、やりがいがとてもあります。
この記事を読んで、保育士に興味を持っていただけると幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
チヒロ
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